第5章 近づく距離
壁外調査。
そこで自分たちの強さを証明する。
それは、地下街から来た三人にとって、ずっと変わらない目標だった。
だが今、イザベルが言う「俺たち」には、ユキノの存在がすでに含まれているような気がした。
(あいつも……一緒に壁外に行くつもりなんだろう)
医官として、後方で命を繋ぐつもりで。
それが、イザベルとファーランをここまで変えた。
リヴァイは目を伏せ、静かに息を吐いた。
これまで馬舎に行ったのは、ただ見に行くだけだった。
教わるなんて、絶対に断るつもりだった。
エルヴィンに言われた時も、即答で「断る」と言った。
だが――。
イザベルが笑う。
ファーランが認める。
二人が、ユキノのおかげで壁外への一歩を確かに踏み出している。
自分だけが、立ち止まっている。
(……俺が遅れたら、置いてかれちまう)
それは、許せない。
立体機動でユキノに並ばれた時と同じ感覚。
いや、それ以上だ。
仲間があいつの温かさに触れ、変わっていくのを、
ただ苛立って見ているだけじゃ、もう済まない。
(俺も……行く)
壁外に。
イザベルとファーランと一緒に。
そして、ユキノとも。