第1章 出会い
訓練が終わると、リヴァイは自然と
ユキノの前に立っていた。
彼女は汗を拭きながら、
穏やかな笑みを浮かべて振り返る。
「……お前、誰だ」
ユキノは少し微笑んで、胸に手を当てた。
「ユキノ・ベリスタ。医官見習いです。普段はみなさんの治療のための勉学に励んでいます。よろしくお願いします。あなたのお名前は?」
リヴァイは無表情で彼女を見据え、
短く答えた。
「……リヴァイだ。」
リヴァイはユキノの穏やかな笑みを
無視するように、目を細めた。
彼女の整った顔立ちや丁寧な物腰が、
地下街の荒んだ記憶を呼び起こす。
何も苦労せずに得た才能か――
そんな疑念が胸に渦巻いた。
「……医官見習いか。ふん、壁内の温室育ちが。お前の動き、穴だらけだ。ガスを節約してるつもりか? それともただの遊びか?」
ユキノは少し目を丸くしたが、
すぐに落ち着いた表情に戻った。
彼女はリヴァイの視線を真正面から受け止め、
静かに答える。
「遊びだなんて、そんなつもりはありません。立体機動は命を懸けた技術です。私の動きに穴があるなら、教えてくださいますか? それが皆さんのためになるなら、喜んで学びますよ。」
リヴァイの口元がわずかに歪んだ。
挑発に乗ってきたか。
イザベルとファーランが遠くから
様子を窺っているのが気になったが、無視した。
彼は顎をしゃくり、訓練場の空を見上げる。
「教えてやる義理はねぇが……お前が本気なら、証明してみろ。明日の朝、ここで一対一だ。俺の動きに一瞬でもついてこられたら、認めてやる」
ユキノの瞳に、好奇心と挑戦の光が宿った。
彼女は軽く頭を下げ、微笑んだ。
「わかりました。楽しみです、リヴァイさん。」