第4章 化学反応
【エルヴィンの視点】
エルヴィン・スミスは、訓練場の遠景を静かに眺めていた。
そこでは、リヴァイとユキノが再び立体機動で並んで飛ぶ姿が見えた。
二人の軌道は、まるで一つの生き物のように同期しつつも、互いに譲らず競い合っている。
エルヴィンは、微笑とも思える微かな表情を浮かべ、心の中で評価を下していた。
〜リヴァイについて(変わらぬ確信)〜
リヴァイは、予想通り――いや、予想を上回る速度で成長している。
地下街の刃は、調査兵団という大きな舞台を与えられたことで、ますます鋭さを増している。
あの苛立ち、闘志、すべてが人類の武器として昇華されつつある。
ユキノの存在が、その触媒になっているのは明らかだ。
リヴァイはこれまで「生き延びるため」だけに強さを求めていた。
だが今、初めて「誰かを超えるため」に歯を研いでいる。
それは、エルヴィンにとって歓迎すべき変化だった。
(リヴァイ、お前は俺の計画の要だ。
お前が最強である限り、人類は希望を失わない)
信頼は揺るがない。
むしろ、日を追うごとに深まっている。