第3章 地獄の大鍋無双しました。
そして私は、鍋の前に立った。
「よし。じゃあ、私が見本見せてあげる。衛生的に、そして完食する!」
鍋の中にオタマを突っ込むと、出てきたのは……黒くてぷるぷるした何か。見た目は最悪だったが、私は鼻をつまんで一気に口へ。
「……うん、意外といける。味は……うん、まあ、地獄って感じの味?」
その後も、次々と鍋を攻略していく私。周囲の職員たちがざわつき始める。
「この人、地獄の胃袋持ってる……」
わたしは、全ての闇鍋を味見して、感覚を掴んだ。
「大体の味もわかったし、次は衛生面ね」
私は、大鍋から振り返ると、後ろに並ぶ受刑者の皆に声をかけた。
「鍋、全部空にするよ!受刑者のみんな、手伝って!」
仁菜の声が響くと、黒の世界の受刑者たちはざわつきながらも動き始めた。
オタマを手に、鍋の中身をすくいだして、出たゴミは分別し、空になった鍋は洗剤でゴシゴシ。
仁菜は先頭に立ち、指示を飛ばしながら自らも手を動かす。
「この鍋、底が見えるまで洗って!“刑罰”だって清潔第一!」
「はいっ!」
受刑者たちは次第に士気を高め、鍋は次々と空になり、洗い上げられていく。
アゼルは少し離れた場所で腕を組み、黙ってその様子を見ていた。
「アゼル、そっちの鍋、持ち上げて!底の焦げ、見たい!」
「……わかった」
アゼルが鍋を持ち上げようとした瞬間、鍋の縁に足をかけていた仁菜がバランスを崩す。
「わっ、滑った!」
反射的にアゼルが手を伸ばす。だが、勢い余って二人とも鍋の底に倒れ込み——