第8章 修理地獄!罪も整理整頓しちゃいます
料理地獄を改善し終えた私は、アゼルと並んで歩きながら、次なる業務地へと向かっていた。地獄の奥にある、ひときわ静かな空間。そこは「収納地獄」と呼ばれていた。
「ここでは、亡者たちが自分の罪を箱に詰め込み続ける。整理もせず、分類もせず、ただ押し込むだけだ」
アゼルの説明通り、そこには無数の棚と箱が並び、亡者たちが黙々と罪の記憶を紙に書き、折りたたみ、箱に詰めていた。箱は膨れ上がり、蓋は閉まらず、棚は崩れかけていた。
「……これ、収納っていうより、圧縮爆弾じゃん」
私は思わずそう呟き、棚の一つに手を伸ばした。すると、バランスを崩した箱が頭上から落ちてきた。
「わっ、危なっ――!」
反射的にアゼルが私を抱き寄せ、箱の直撃を避ける。だがその拍子に、私は彼の胸元に倒れ込み、棚の隙間に押し込まれるような形になった。
「っ……!」
「……なんか柔らかい……?」
アゼルの手が、私の腰のあたりを支えていた――いや、支えているというより、揉んでいた。
そこへ狙ったかのようにセロスが現れた。
品のある金髪を後ろに束ねて、ポケットに手を突っ込んで、歩いてくる様は彼の持つ品格を無くし、あたかも輩のようだった。
「よーよー!アゼルさんよぉ!またラッキースケベでっか?最早そこまで来るとわざとちゃいます?」
荷物の下敷きに、なって身動きが取れないでいる私にセロスが近づいて
「仁菜ちゃん、さっさと、こんなところ見切りつけて『白の世界』おいでーな。わしもラッキースケベ味わいたいわ。」
と、はやし立ててるのか本気なのか分からない口調で耳元で囁いた。
わたしは、擽ったさに肩をあげ、まだ私の胸元に顔を埋めて、おしりを揉みながらに抱きついているアゼルに、私は反射的に彼の頬を叩いた。
パシーン!という音が棚の崩れる音と重なって、地獄内に響き渡る。
亡者たちは手を止め、こちらを見てざわつき始める。
「なんだ?なんだ?」
と、亡者の野次馬が集まって、私達の上京を遠巻きに見ながら
「地獄で一番罪深いの、案内人じゃ……?」