第10章 迷途忘路(めいとぼうろ)
☆☆☆
結局、大量に服を買ってしまった・・・。
だって、だってだって、しょうがないじゃん。皆可愛いんだもん、何着ても似合うんだもん!
とりあえず今はダリの幻術による服ではなく、新しく買った服の中から清香ちゃんが「これ!」と選んだものを着ている。
今日は割と涼しいので、チェック柄のパンツにパフスリーブっぽい白い袖の付いたあずき色トップスという秋らしい服装になっている。ついでに靴まで買ってしまった。動きやすさを重視して、エナメルっぽい光沢がある黒とピンクのスニーカーだ。
か・・・可愛すぎる。
ついでに髪の毛もちょっといじってあげた。元々清香ちゃんは肩までのストレートヘアだったが、コスメ売り場に行って、キュッと高いところでひとつ結び。ヘヤゴムもちっちゃいピンクのリボンの飾りがついたやつを買ってしまった・・・。
お値段、総額5万円ほど。
でも、でも、清香ちゃんの笑顔がプライスレス!
「ぱぱー!お腹すいた!」
清香ちゃんがぼーんとダリに体当りするように抱きつく。ダリも最初は戸惑っていたが、だんだん慣れてきたようで、清香ちゃんをひょいと抱き上げると肩車をする。定位置よろしく、ちょんとダリの頭に顎を乗せる姿勢がなんとも可愛らしい。
「じゃあ、ご飯食べに行こうか」
正直出費は厳しいが、明日から節約するということで、今日はパーッと行こうじゃないか!
レストラン街はあっちだ。清香ちゃんを肩車したダリと私はそろって歩き出した。
レストラン街では色々あって目移りしてしまうが、ちょうど昼ごはん時ということもあり、どこも混んでいた。荷物をもたせているダリがやや不服そうな顔をしているので、早く置かせてあげたいのだが、いかんせんどの店も1時間位並びそうだ。
困ったな・・・
「ままーあっちにお店あるよ」
清香ちゃんが言う。指し示す方向を見ると、目抜き通りをそれた細い道の奥にぽつんと赤い提灯が下がっている。和食の店なのかな?ちょっと通りから外れているせいか、空いているようにも見えた。
和食ならダリも食べるかもしれない。油揚げとかあるかもしれないし・・・。
その店に行ってみることにした。
「はーい!ただいまお席空いてますよー♪」
遠目に見たときは気づかなかったが、提灯のそばに赤い着物姿の女性が立っていた。呼び込みをしているようだ。
