第10章 迷途忘路(めいとぼうろ)
ほれ!と言うと、Tシャツ姿の清香ちゃんが、着物姿に変わった。
え?
「こういう方が良いか?」
今度は私が普段着でよく着ているようなカーキのパンツに黒のボーダーシャツみたいな格好になる。
「それとも・・・」
え?薄い青色のひらひらドレス?
「どういうのがよいのじゃろう・・・?」
最初に着ていた白のジャンパースカート。
え?え?・・・なんでもいけんの?
そーっとスカートを捲ってみたが、下着は私が最初に履かせたブカブカショーツだった。
なんだ、表面だけか?
「表向きの格好はどうとでもなる。ただ、これは幻術の類。寒さを防いだりはできないから、服はあったほうがよいぞ」
うーん・・・なるほど。あのブカブカTシャツを幻の術で他の服に見せている、ということか・・・。
だったら、しょうがない・・・。
「清香ちゃん・・・今日は、ままとぱぱと、お買い物、行こうか?」
ジャンパースカート姿の清香ちゃんの目がキランと輝いた。
「うん!行く!!!」
ぐっと両の拳を握ってワクワクした様子を見せる。
こうして、今日の行き先は不動産屋さんから、子供服売り場に切り替わったのだった。
まあいいか。清香ちゃん喜んでるし。
お家のことは、なるようになるだろう。