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天狐あやかし秘譚

第70章 自縄自縛(じじょうじばく)


「そう、玲ちゃんにだけはあなた、外国の話も、芸能人の話もしなかったのよね。玲ちゃんとは自然体で付き合えた・・・違う?」
おそらく、玲子はクラスの中でも自分より序列が下、陰キャで友人も少ないというところから、京依のプライドを脅かすことがなかったのだろう。だから玲子には見栄を張る必要がなかったのだ。上下関係のようで、あまりいい付き合いとは言えないかもしれない。でも、京依にとって、玲子は多分大事な友達だったのではないか。

先程まで暴れていた京依が大人しくなる。下を向いて、ふるふると震えていた。長い髪の毛が顔にかかって表情がよくわからないが、おそらく泣いているのではないかと思えた。

これなら、回向に成功するかもしれない。

「ね、だから、本当のこと・・・」
を話してほしい、と言おうとした矢先、バッと顔を上げたかと思うと、京依の顔が一気に激しく歪む。口を大きく開き、先程まで青く虚ろだった目に赤い火が灯る。
「玲ちゃん!」
身体がぐんと弾けるように大きくなり、天を仰いで一気に腕を広げる。バチンと大きな音がして、水の鎖が一気に消し飛んだ。

術を破った!?

「玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!玲ちゃん!」

身長が3メートル近くまで巨大化すると、一足飛びに私を飛び越し、背後のベンチにいる『玲子』に襲いかかる。

「やめなさい!」
私は声を上げるが、それも虚しく、京依の巨大な体躯はベンチごと『玲子』を押しつぶさんばかりに上空から襲いかかる。

しまった!
なんで?どうして?!

振り返ったときには、背後のベンチのあたりには上からの超高重量の落下による衝撃でもうもうと土煙が上がっていた。土煙が晴れると、ベンチがひしゃげて壊れており、そこにうずくまるように京依がいた。

「玲ちゃん・・・玲ちゃん・・・
 私が食べるの・・・食べてあげるの・・・
 勝手に、勝手に・・・いやああ!!!
 玲ちゃあああああああん!」
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