第91章 人面獣心(じんめんじゅうしん)
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3時間ほど対の間で眠った後、緋紅は閨の様子を見に行った。
そこには彼の予想通りの光景が広がっていた。
ミオはまだ眠っていた。
当然だ。さっきまで、老化が始まる限界ギリギリまで生命力を削られていたのだから。その股のあたりはぐっしょりと男の精液にまみれ、何度も何度も睡眠姦を受けたことを示していた。
そして、その横には、ミイラのようになって震えて喘いでいる裸の従者の姿があった。ミオに劣情を催して犯した結果、自らの生命力を逆に与えることになってしまったのだ。
「残飯漁りにふさわしい末路ってところかな?」
緋紅がミオの腹に手を当てると、腹が薄ぼんやりと光り輝く。そのままズイと指を突っ込むと、抵抗なく体内に指が沈んでいった。しばらく腹の中をまさぐって手を引くと、そこには、例の不思議な光沢のある勾玉があった。満足げに笑うと、それを懐にしまう。
「おい!誰か!この女と・・・この汚い男を屋敷の外に捨ててこい」
声を上げると、新たな従者が二人、やってきた。それらはものも言わず、死にそうな男と、そして、ミオを回収していった。
愚かな従者の男はそのうち死ぬ。そして、ミオは命じられた通り、おそらく裸のまま屋敷の結界外の適当なところに放り出されるだろう。
ミオは助かるかもしれないし、野垂れ死ぬかもしれない。しかし、1%でも助かる見込みがある状況に『供物』を置くなど、これまでの緋紅では全く考えられないことだった。
緋紅自身、なぜこんな気まぐれを起こしたのか、よく理解はしていなかったし、深く考える気もなかった。
彼の思いは、すでに次のこと・・・黄泉平坂をいかにこじ開けるか・・・、そこに向けられていたからである。