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天狐あやかし秘譚

第7章 天佑神助(てんゆうしんじょ)


着地をし、また斬りかかる。数回突っ込んでいくが、一向にキョウコツに対して有効打を与えられている様子は見えなかった。
私は距離も取れたし、少し落ち着いてきたので、あたりを見る。そもそも、清香ちゃんはどこに?あのキョウコツとやらが現れたあたりには見えない。どこ?どこ行ったの!?

いた!・・・なんでそんなところに!?

清香ちゃんは、キョウコツの内側、肋骨の中で丸くなっていた。
あれって、清香ちゃんがキョウコツに捕まっちゃってるってこと?それで、もしも、あの御九里とかいう奴がキョウコツを倒しちゃったら?

清香ちゃん・・・どうなるの?

と、心配をしていたが・・・。

「へぶっ!」

最初は勢いがあった御九里も、次第にキョウコツに押され始め、今、派手に右のストレートを顔面に食らっていた。キョウコツの拳は1m弱あるように見える。なので、実際には顔面をというよりは、上半身全体を殴り飛ばされた感じだ。

5メートルほどすっ飛ばされて、御九里はぐったりと動かなくなった。

こ・・・怖すぎる・・・。

目の前の一人を倒したキョウコツが、次はお前だと言わんばかりに、ゆっくり私の方に向き直った。

☆☆☆
相変わらず私は腰が抜けて動けない。動けないことが分かっているのか、キョウコツはことさらゆっくり近づいてくる。

まずい、まずい・・・あんなので殴られたら死んでしまう。
目から涙が溢れ、身体が震える。腰が抜けていなくても多分動けない。

そして、ほぼ失禁しかけていた。

キョウコツが私の目の前に迫り、大きく右手を振り上げる。
もうダメ!!

ギュッと目をつぶり、せめても自分の身を守るべく両手で身体を隠すようにする。

ところが、いつまで経っても衝撃が来なかった。恐る恐る目を開けると、目をぎょろぎょろさせたキョウコツが拳を振り上げたまま止まっていた。心なしか、カタカタと全身が震えているように思えた。

なんで?

そう思った時、キョウコツの身体の中にいる清香ちゃんがこっちを見た・・・気がした。

もしかして・・・清香ちゃんが止めてくれている?

「おい!姉ちゃん、早く逃げっぞ!」

いつの間に復活したのか、ぐいと私の腕を御九里が引っ張る。私が離れると、キョウコツが大声で何事か叫びながら再び動き始めた。
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