• テキストサイズ

天狐あやかし秘譚

第7章 天佑神助(てんゆうしんじょ)


☆☆☆
その姿は強大な骨格標本そのものだった。身の丈5メートルはあるだろう巨大な骸骨。チャラ男は『キョウコツ』と言っていた。

骨格標本とは言ったが、本来あるべきではない目玉が眼窩にギョロギョロと蠢き、口はガタガタと歯を鳴らしているが、その歯は人間のものとは思えないような牙を備えている。

鬼の骨格・・・と言われれば一番納得がいくだろうか?

そんなモノが目の前に現れた。

ぎゃああーーー!!!
ダリー!!!!!

前に東北で見た曲がり神も怖かったが、これはもっと怖い。まずデカい。
これ、まずい。本当にまずい。ちびる・・・確実に漏らす!!!

この前はすぐ来てくれたのに!なんで今日は来てくれないのよ!!ダリ!

腰が抜けてしまっているので、手でズリながらでないと、後ずされない。最大限の力で後ろにズルが、いかんせん速度がでない。

ぎゃああ!!やめて!!

と思ったが、どうやら『キョウコツ』とやらは私には興味がないらしく、チャラ男の方に近づいていく。チャラ男は更に後ろに飛び退り距離を取る。

「ちっくしょー!こんなん出てくるなんて聞いてねえぞ!ウラベの野郎、ちゃんと仕事しろよな!!」

懐剣の鞘を投げ捨てると半身になり右手にそれを構えた。

「で・・でも・・・こいつをぶっ倒せば・・・出世の道も開けるって・・・もんかな・・・へへ」

震えながらも強がるように、言う。ぐっと手足に力を入れ、震えを強引に抑え込む。そのまま右手に構えた懐剣に印を結んだ左手を添えた。

「金気よ水を生じせしめよ」

懐剣の刀身が青く光る。まるで刀身そのものがぐんと伸びたようになる。最終的に刃渡り20センチほどだった懐剣は、大太刀ほどの長さになった。その刃は青く光り輝いていた。

「宮内庁陰陽寮陰陽博士『属の三位』(ぞくのさんい)御九里牙城(みくり がじょう) 参る!」

何かの術で生み出した大太刀を脇構えにし、ダッと地面を蹴る。チャラ男改め御九里が一気に『キョウコツ』との間合いを詰めた。

キョウコツは右手を大ぶりに振り上げ、御九里を迎え撃つ。ギインと耳障りな音をたて、御九里の太刀がその巨大な腕を弾いた。

「ちっ・・・切れねえか」
/ 475ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp