第59章 淫祠邪教(いんしじゃきょう)
しかし、彼女にも真相を知る権利がある。
これだけ本件に関わっているのだから、この背景事情もいつかは知らせななければいけないだろう。
はあ・・・とため息をつく、我が主。
仕方ないなあ。
さっき、ちょっとかっこよかったし、これからきっとたくさん偉い人に怒られるだろうし。それに何より、綾音を傷つけないように、と心配りをしようともしている。
その姿勢に免じて・・・
「綾音さんには、私の方からうまく事情を話しておきます」
「ほんま!?」
ああ・・・少し、元気になったみたい。
今回は、あなたのその姿勢に免じて甘やかしてやるとしよう。
私は土御門様の背後の窓に目をやる。
窓の外はとても良く晴れているけれど、私も、土御門様も、心の中はどんよりとしていた。
せめて、水晶柱に閉じ込められた二人の魂が、現世で果たせなかった幸せな逢瀬を、常世で迎えていることを祈るしかないな、と私は思った。