第40章 一意専心(いちいせんしん)
「もしよければ、で結構なのですが、気持ちが落ち着いたら、また浮内島に伝わっているお話を教えてください。実に・・・実に興味があります!」
宝生前が握手を求め、ぐいと詰め寄る。彼の性癖について悟っているらしい草介さんは若干逃げ腰になりながらも、一応その手を握った。必要以上に固い握手を彼らは交わす。
アナウンスとともに、新幹線が滑り込む。そして、私達を乗せた東京行きの新幹線は、草介さんに見送られながら、岡山駅を発った。
ああ・・・これで本当に、全てが終わった。やっと帰れる。みんなが待っている『綿貫亭』に。私達の家に・・・。
新幹線が出発してやっと安心したのかもしれない。座席に座るやいなや、私の意識はふわっと溶け出しそうになる。ほぼ徹夜なのだから、無理もない。それに、ダリの匂いがして、ものすごく安心できる。だから、私は、あっという間にその肩に頭を寄せ、深い眠りにおちていってしまった。
待っててね、清香ちゃん・・・芝三郎・・・
そして、桔梗さん。