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天狐あやかし秘譚

第34章 銘肌鏤骨(めいきるこつ)


☆☆☆
幾百年、たっただろう。
幾千年かもしれない。

時折与えられる男を貪り、『私』は永らえ続けた。
もう・・・許してくれ・・・
もう・・・解放してくれ・・・

嗚呼・・・呼び声がする。
「ホシガリ様ぁ、ホシガリ様ぁ・・・御身、固め事な忘れそ・・・このをとこ、御身に招き入れ奉らめ・・・ホシガリ様ぁ、ホシガリ様ぁ・・・
 その代(しろ)に、くがね、しろかねあたえ給へ、さきわい給へ」
「ホシガリ様ぁ・・・ホシガリ様ぁ」

嗚呼・・・男が・・・与えられる。
つかの間の、平安・・・お願いだ・・・早く・・・早く・・・。

おずおずと入ってきた男に、『私』は見覚えがあった。
何百年前?

私は・・・あなたを知っている。

私はその男に手を伸ばした。

「ああ・・・草介・・・さん?」
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