第32章 毛骨悚然(もうこつしょうぜん)
「いや・・・他の場所からの侵入・・・とやらも、難しいだろう」
ふわりと狐神モードのダリが私の横に降り立つ。
「どういうこと?」
どうやら、ダリは上空からこの屋敷を見てきたようだった。
「見ればわかる」
言うや、ひょいと私を小脇に抱えると、ふわりと跳躍した。不思議な浮遊感とともに、私とダリは軽く20メートル近く浮き上がった。
闇夜とは言え、星が瞬き、真の闇ではない。
星灯りに照らされた光景に、私は目を剥いた。
「な・・・なにこれ!?」
そこには、おおよそ通常の家では考えられないほどの広い敷地に延々と迷路のように不規則に家の棟が複雑に連結していた。屋根が延々と広がっているように見える。
「普通の家ではないな・・・」
ダリがボソリと言った。
そして、その連結しているすべての棟はしんと静まり返っており、まるで人の気配がない。
それは、とても奇妙な光景だった。