第21章 大声疾呼(たいせいしっこ)
「綾音はんも隅に置けませんな・・・あんな・・・淫らに・・・ええですなあ・・・天狐はん、こないな感じ易いおなごとイチャイチャと。」
ひやああ言わないでええ!
すっごく意地悪な顔で言ってくる。ますます私は下を向く羽目になる。
「あ、安心しいな?あんなに時間軸ズレとるところ、正確に知覚できんの、わいくらいやから。他の人にはバレてへんよって・・・ただ・・・どうでしゃろな・・・、今度わいと」
言い終わらない内に、ゴン、とすごい音がした。顔をあげると土御門の頭にバインダーが突き刺さるようにめり込んでいた。しかも縦に。バインダーの持ち主は瀬良だった。
「つ・ち・み・か・ど・様!デリカシーがなさすぎです!しかも、セクハラ!!」
「す、すみまへん・・・」
「まだ残務処理あるんですから、こっち来て仕事してください!」
「はい・・・」
そのまま土御門は、瀬良に首根っこ掴まれて貸し会議室の業務スペースに引っ張られていった。
そういや、ダリが私の足についてる糸について『誰が端を持ってるんだ』と気にしていたのは、こういうことだったのか。
ん?でも・・・土御門だと知って、『まあよいか』って・・・。
いや、もしかして・・・
ダリをギンと睨む。察したのか、ダリはさっと目線を外した。
「ダリ・・・もしかして・・・覗かれるの・・・分かっていた?」
ぽん、と、ダリが唐突に狐モードになった。
そのまま後ろ足でカリカリと首筋をかいて、くわっとあくびをする。
ご・・・ご・・・
「ごまかすなああああ!!!」
乙女の怒りが爆発したのは、言うまでもないことだった。