第21章 大声疾呼(たいせいしっこ)
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私達は思っていた。これで全てが解決したと。
なので、こんなことが起こっていようとは夢にも思わなかったのである。
これは、鬼道の封滅が完了し、一連の現場検証が終わり宮内庁職員らが現場を離れた後の話。
パークヒルズ池袋 2階 ライブラリーにて
「ええっと・・・どこにあるんだ?」
♪探しものはなんですかー、と一昔前の歌を歌いながら、両肩に白い布のようなものを垂らしている少年がゴソゴソとライブラリー内の本棚を探し回る。年の頃は14、5歳といったところだろうか。特徴的なのは、その白い布、肩巾と呼ばれているものだけではない。ツンツンと立った髪は全て白、ついでに、まつげや眉毛などあらゆる体毛も白かった。皮膚の色も常人ではありえないほどに白く、瞳と唇だけが赤かった。
「そんなところにはない。多分、どこかの空間にめり込んでいる」
もう一人男がいた。こちらは成人で、30歳くらいに見える。長身で黒い帽子、黒いコート、そして黒ジャケットという黒尽くめの格好をしていた。サングラスを掛けているが、顔の半分が爛れたように赤くなっているのを隠すことはできていなかった。
「そんなのどうやって探すんだよ、イタツキ」
白髪の少年は、長身の男をイタツキと呼んだ。イタツキはちっと舌打ちをする。
「お前は少しくらいは探査性能を上げろ」
そうして、首にかけているネックレス様のものを引っ張り出す。ちょうどペンダントトップに当たるところに白と灰色がうねうねと混じり合うような不思議な色合いで光る直径5センチほどのオブジェが付いていた。形は古代の勾玉のそれだった。
「神宝同士は呼び合うのだから」
そう言って、その勾玉を握りしめると、空間の一点がぼんやりと光り輝いた。
「そこだ。シラクモ、取ることぐらいはできるだろ?」
光り輝いていたのは、ちょうどダリ達が河西と戦っていた時、鬼道が口を開けた場所にほかならなかった。シラクモと呼ばれた白髪の少年は「よいしょっ」と声をかけ、その部分に手を伸ばす。
「ああ・・・あったよ」
手のひらの中に、イタツキが首にかけているのと同じくらいの大きさの勾玉が握られていた。こちらは黒と緑がその表面を蠢いている。