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天狐あやかし秘譚

第118章 焦眉之急(しゅうびのきゅう)


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【焦眉之急】危険が間近に迫ってきていること。
これ以上近づいたら、眉毛燃えちゃうほど火が近いっ!!みたいな。
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「どう、これ?」
礼が私の方を見てくる。・・・うーん、緑かあ・・・。

「どうだろう?目の端っこが少し緑かかって見える・・・かな?」
実際のところ、日本人にカラコンってどうなんだろうと思う。地の目が黒いので、色がついててもあまりわからないと思うのだが・・・。それでも、みんなこういうおしゃれが好きだ。

渋谷『109』の2階、カラコンが試し放題ということで私たちの学校では有名なスポットだ。礼がカラコンつけたいということで誘われてきたが、私は目も悪くないし、カラコンに興味が・・・。

そんなふうに思っていると、礼が今度は青色のをつけてみた、という。

「こっちは?」

あれ?これは不思議だ。瞳が少し光って見える。虹彩というのだろうか、黒目の真ん中の辺りがドーナツ状に青く不思議な色合いに見えた。

「え?それ・・・」

ちょっと驚いてしまった。その表情に気を良くしたのか、礼はどうやらこの色に決めるらしい。

女子同士の買い物というのは正直言って楽しい。しかし、私は立場上、あまりたくさんのお金を使うわけにはいかないので、みなと同じようには買い物ができない。だからめったにこういうところには来ないのだが、礼は小学校からの友達で、私の『事情』も分かってくれている。私がこういうところでいっしょに買い物をしなくても責めることはしない。

礼と一緒にいると、自分もなんとなくオシャレ女子の仲間入りができたようでうれしく感じるというのもある。礼は礼で、私と話すのは楽しいと言ってくれる。

私たちはそういう意味で良い友達だと言えた。

「ねえ、ちょっとお腹すいたからさ、これ買ったらマック行きたい」

こういうのも、礼の優しさ。多分、他の友達とだったらもっとおしゃれなカフェに行くんじゃないかなと思う。

「うん」と私は頷いた。

まあ、礼もお小遣いが厳しい家のようで、そういう部分でも気が合うのだと思う。

「よし、ちょっと待っててね、なけなしの小遣いでこれ買ってくるからさ」
礼が会計に並んでいる間、ぼんやりと周囲を見渡す。
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