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天狐あやかし秘譚

第114章 純情可憐(じゅんじょうかれん)


え?え?・・・ど、どうして!?

頭が混乱する。

だって、宝生前さんはゲイで、私はだから、飲むだけって言って、
それで、楽しくていっぱい飲んじゃって・・・飲んじゃって・・・?

「あ・・・あの・・・私は、あなたと・・・?」

もしかして、もうすでに、ひととおりいたした後、だったりするのだろうか?などと妙なことを考えてしまう。いや、そもそも服は着ているわけだし、さり気なく触ってみると、下着もつけたままだ。それになにより、全くアソコにそんな感覚はない・・・んだけど・・・。

「まだ何もしてないですよ」

宝生前もこちらに来て、冷蔵庫からペットボトルを取り出すと、ソファに座って、それを飲んだ。いつもと違って洗いざらしの髪の毛、バスローブ姿の彼に、私はさっきからドキドキしっぱなしである。

「あ・・・え・・・っと・・・ここは?」
聞くと、一瞬宝生前が目を見開いたが、その表情はすぐに優しい微笑みに変わった。
「そんなところに立ってないで、こちらに座ったらいかがですか?」
そう言われて、私は大人しく、宝生前の隣に腰を下ろした。

ソファはそれなりには大きいが、それでも大人二人が座ると身体が近くになるわけで、お風呂上がりのいい匂いと、若干湯気を纏っている気配が感じられてしまって、私はなんとなく小さくなってしまっていた。

「あ、あの・・・これ、もしかして・・・?」
「土門さんが、私の首を絞めました。ラブホテル連れて行け、って・・・」

や・・・やっぱり!?
これは、嫌われる・・・のです。

で、でも、宝生前さんは、嫌なことはしない性格だと思うのですが・・・
え?ということは、私とそうなってもいいと?
いやいや、そんなことは・・・だって、彼はゲイですし・・・
でもでも、ゲイがバイになることもあるって誰かが言っていた気が。
それって誰が言ったんでしたっけ?・・・ああ、そうか、それ私が言ったのです、
ということは特にそんなことはなくて?
いやいや、でも、この状況は・・・

私が目を白黒させていると、くっくっく・・・と宝生前の笑い声が聞こえた。見ると、口に手を当てて笑いをこらえていた。

「貴女ほど何を考えているかわかりやすい人はいないですね・・・。どうして私が貴女とここにいるのかって思ってます?・・・それは私にもわかりません」

え?
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