• テキストサイズ

天狐あやかし秘譚

第114章 純情可憐(じゅんじょうかれん)


♡ーーーーー♡
【純情可憐】邪念や私欲などがなく清らかで、素直で愛らしいこと。
心が澄んでいるあなた、そして、いじらしい彼女、みたいな。
♡ーーーーー♡

私はどこにいるんだろう?
そこは誰もいない部屋。
幼い私は着物を着て、手毬をついて遊んでいた。

『一つとや 一夜(ひとよ)明ければ
 にぎやかで にぎやかで
 お飾り立てたる 松飾り 松飾り』

トン、トン、トン・・・
きれいな色の手毬が跳ねている。

座った姿勢で、トン、トン、トン・・・

『二つとや 二葉(ふたば)の松は
 色ようて 色ようて
 三蓋松(さんがいまつ)は 上総山(かずさやま) 上総山』

おばあちゃんが教えてくれた数え歌を歌いながら、
私はひとりで手毬をついていた。

『三つとや 皆様子供衆(しゅ)は
 楽遊(らくあそ)び 楽遊び
 穴一(あないち)こまどり 羽根をつく 羽根をつく』

あれ・・・?
気がついたら、誰もいなかったはずのお部屋に、女の子がいた。
私と同じ年くらい。

不思議な髪型をしていて、見慣れない服を着ていた。そう、丁度、神社にいる巫女さんみたいだと思った。

私は手毬をつく手を止めて、その子をしげしげと眺めた。
その子も、私のことをじっと見ていた。

この鞠で、遊びたいのかな?

そう思ったので、私は声をかけてみた。
『一緒に・・・遊ぶ?』

その子はとびきり可愛らしい笑顔で、うん、と頷いた。
だから、その日は、私とその子で、たくさん、たくさん鞠をついて遊んだのだった。
/ 1414ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp