第109章 寤寐思服(ごびしふく)
ぴったりとくっついたまま、キスをして、身体を擦って、頭を撫でて・・・
それでも足りなくて、また、口づけをした。
「美澄・・・美澄・・・もっと・・・」
「うん・・・うん、うれしい、私、うれしいぃっ!
牙城さん、牙城さん・・・愛している・・・愛してるのぉ・・・」
愛してると言われて、本当に幸せそうな笑顔で見つめられて・・・
そこで初めて、俺は・・・自分の心から湧き出したこの想いの名を知った。
だから、俺も言う。
初めて、生まれて初めて言った。
「俺も・・・すごく・・・あ・・い・・・してる・・・」
美澄の瞳から涙がこぼれた。
俺も泣きそうになった。
そして・・・
そして、そのまま、俺達は裸でぴったりとくっついたまま、いつの間にか、眠りに落ちていってしまった。
結局、その日は、夜中に目が覚めてもう一回、朝、日暮が出勤のために起きなければならない時間ギリギリまで更に一回、俺達は互いの体を求めあった。
次の日、別に仕事がお休みではなかった日暮は、俺の家から簡単な化粧をした状態で出勤していった。いつものメガネ、両おさげで、『行ってきます』と言いながら出ていこうとする彼女を、俺はもう一度不器用に抱き寄せて、キスをした。
「お・・・遅れちゃうからっ!」
彼女はそう言ったが、俺は、すごく離れがたくて、結局5分ちかく、彼女と玄関でキスを交わし合ってしまった。