第107章 末路窮途(まつろきゅうと)
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数日後、俺は自分の名を決めたと土御門に言った。
「で、なんつーのにしたの?ケンシロウ?それとも鳴海とか・・・えっと裏をかいてコナンとか?」
「違います・・・牙城(がじょう)・・・御九里・・牙城・・・」
へえ・・・と土御門は笑った。
一番強いやつが住む場所・・・絶対孤高の要塞
それが、そのイメージが、自分の目指すものだと思ったからだ。
「ええ名前やん・・・じゃあ・・・ガッちゃんやな、あだ名」
ぶっ!
俺は吹き出してしまう。
「や、やめてください!弱そうに聞こえる!」
「だーってまだまだ、お前はん、弱いやん」
「つ・・・強くなる・・・なってやるから!」
「ほお・・・じゃあ、ま、やってみー?訓練きつくて音ぇあげんへんでな?」
からかうように言う土御門に、俺は顔を真赤にして反論していた。
思えば、当時の俺は、今よりも断然幼かった。
ただ、この時言われたことは、俺は決して忘れない。
さっきまでニヤニヤ笑っていた土御門が、急に真面目な顔になって、こう言ったのだ。
「ここまで、来いや・・・『牙城』・・・血も家柄も、みんなぶっ飛ばして・・・上って来いや・・・」
後にも先にも、土御門加苅が俺のことを『牙城』と呼んだのは、その時だけだった。しかしこの時、彼に呼ばれて初めて、俺は本当の意味で『御九里牙城』になったと感じた。