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天狐あやかし秘譚

第106章 貪愛瞋憎(どんないしんぞう)


十和子が立ち上がり、スカートをたくし上げる。どういうわけかすでに下着は脱ぎ去られており、拡げられた足の間から垣間見える恥毛は、女の蜜で濡れそぼっていた。

「頂戴・・・ああ・・・早くぅ・・・ここ・・・オマンコにぃ・・・」

細い樹に寄りかかり、くねくねと腰を振る十和子の白い肌や濡れそぼった秘所から流れ落ちる愛液で濡れそぼる太ももから、男は目を離すことができなかった。ふらふらとそこに近づき、両手で腰を掴む。対面立位の要領で、タラタラと精液を垂れ流すその怒張を挿入しようとする。

「おい!もう止めろ」
男のペニスが十和子の陰裂をなぞりかけた時、10メートルほど離れた茂みの外から、それを制止する男の声がした。

ビクリと体を震わせて、男がそちらを見ると、街灯の下に男がひとり立っていた。
黒尽くめのパンクファッションに背中からは白の剣袋が顔をのぞかせている。やや伏せ気味にしているため、その表情は陰になってよく見えなかった。

「お前・・・その女の顔をよく見てみろ」
黒尽くめの男に促され、男は自分が犯そうとしていた女の顔を見た。

「ひぃ!」

その口は耳元まで裂け、人のものとは思えない牙が口腔内にちらりと見える。眼光は炎を宿したようにおどろおどろしく、その顔貌は一言で言えば・・・

「お・・・鬼っ!!」

男性は腰を抜かしたようにその場に崩れ落ち、座り込んでしまう。それでも少しでもその異形から距離を取るべく、ズリズリと手で身体を引きずるようにして後ずさった。ズボンを脱ぎかけていたのが災いし、うまく動くことができないでいる。

「ちっ・・・世話の焼ける!」

黒尽くめの男は、背中にくくった剣袋を素早く取り出すと、中から長剣を取り出した。いわゆる反りのある日本刀である。

「兄ちゃん、さっさと逃げろ!」
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