第106章 貪愛瞋憎(どんないしんぞう)
お願い・・・ニャンコ先生・・・あの人を、見つけて・・・
見つけた御九里が無事ならば良し、もしなにかピンチだったら、何が何でも助けるという気持ちだった。
日が傾き始めている。暗くなれば猫神はともかく、白鷺姫の『目』は捜索能力を大幅に減じてしまう。それに、これだけの数の式神を長時間に渡って使い続けることは術者にとってかなりの負担となる。
遅くなればなるほど、不利になっていく・・・。
日暮の最初の公算では、自らの『にゃんこーず』と九条の『白鷺姫』を駆使すれば程なくして見つかるだろうと考えていたのだ。しかし、ここまで見つからないとなると・・・。少なくとも道を普通に歩いているということはなさそうだ。外にいながらにして、機動力と知覚力に優れている白鷺姫の目をかいくぐれるとは思えない。
だとすると、建物の中に閉じこもっているのか、それとも・・・
閉じ込められている・・・?
そんな最悪の事態が頭をよぎり、背筋がブルリと震えた。
その時、塔屋の扉が開き、息せき切った田久保が屋上に上がってきた。
「はあ・・・はあ・・・
て・・・手がかりを見、見つけましたあ!!」
そう言って、ごろりと横になった。