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天狐あやかし秘譚

第105章 昼想夜夢(ちゅうそうやむ)


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祓衆の衆会議から3日後、左前の机の上に、御九里からの休暇届が置かれていた。期間はその日から2週間。休暇取得理由を記載する欄は空白だった。

嫌な予感がした左前は、すぐに土御門に事態を報告した。合わせて、彼と普段から交流のあった陰陽師、たとえば九条や土門、そして浦原綾音にも確認をしたが、誰も彼の休暇取得の理由どころか、そんなに長期の休暇を取ったことすら知らなかった。

一連の事態の展開に、最初は『ま、別に休暇取ったらあかんいうこともないし』などと楽天的な発言をしていた土御門も、次第に不安になってきたようだ。瀬良を通じて、占部に探索を命じる騒ぎとなった。

ところが、土門の占術をもってしても御九里の行方を掴むことができなかったのである。土門によると、おそらく呪的な追跡を退ける術式である『八門遁甲』を使っているのだろうとのことだった。

「こりゃ、なんかあるな・・・」

さすがの土御門も本腰を入れる気になったようだ。この時、御九里が何者かに攫われたと言う可能性はあまり考えられなかった。むしろ、彼は何らかの目的を持って陰陽寮を離れたことが示唆されていた。

何も言わないで離れた。
それは、御九里自身が、自分の意図が知られることを恐れたことを意味する。

これらのことを勘案して土御門は『御九里がなにか危険なことをひとりで行おうとしているのかもしれないなあ』とひとりごちした。

「なにか、援助が必要でしょうか?」
瀬良が尋ねると、少し考えた土御門が「一応・・・捜索隊を出してみるか・・・」と言ったのだ。
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