• テキストサイズ

天狐あやかし秘譚

第105章 昼想夜夢(ちゅうそうやむ)


じたじた、ばたばた、ごろごろ!

あまりにも甘い己が妄想に悶え、日暮はベッドの上を転げ回る。

キス!キス!!!
き・・・キスしちゃうのぉっ!!

小説の筋立てを考えていたはずが、いつしか、頭の中のイメージが、自分と御九里との逢瀬に置き換わっていく。

こんな時・・・思い出すのは、あの時のシーンだ。そう、人身売買組織に捕まってしまったところを、御九里が助けてくれた、あの夜のワンシーン。脳裏に刻まれ、何度も何度も反芻していた。それは、日暮にとって、大切な大切な思い出だった。

◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯
気を失っていた私は、身体が揺さぶられ、ゆっくりと目を覚ます。
ここは・・・どこ?
たくましい腕に抱き上げられているみたい。ゆらゆらと揺れる感触が心地良い。
温かい胸にぎゅっと頬が押し当てられている。

ドクン、ドクンと規則正しい心音
男の人、特有の匂い
熱い体温
それらがまるで私を包み込むかのようだった。

何が起こってるかわからないまま、私はそっと目を開く。

『目が・・・覚めたか?』

月明かりがあなたの髪をキラキラと照らす。
耳のピアスが青い月光にさらされて神秘的な光を放つ。
心配そうに私を見つめる、その優しい瞳・・・
◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯

「ああ・・・っ!私の・・・ナイト様・・・!!」

思い出して、枕を抱きしめ、また悶えてしまう。記憶に妄想がなだれ込む。物語は脳内で暴走し、ますます美しく織り上げられていく。次第にそれは、官能の湿り気を帯び、更に甘く、甘くなっていく。

◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯
ああ・・・そうよ、ここは、御九里さんのお部屋の寝室(注:見たことがないので妄想でカバー♡)

私は、彼の力強い腕に組み敷かれ、そのお顔が、これまでにないくらい近くにあるの。吐息が掛かりそうなほどの距離で見つめられて、私の瞳はあなたの視線で貫かれる・・・

心臓は張り裂けそうにドキドキとして、頭はふわふわってなっていって、
私は何も言えなくって、黙ってただただあなたのことを見つめ返している。

指が自然と絡み合い
視線が交わって、溶け合っていく

『・・・美澄・・・』
/ 1414ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp