第3章 秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)
「ミケを喰ろうたばかりじゃからな。そちに勝ち目はないぞ」
そのまま、一歩一歩と異形に近づいていった。異形は押されるようにジリジリと後退する。
ダリを・・・怖がっている?
ダリが右手を胸の前に持ってくる。すると、どこからともなく槍のようなものが現れた。柄は木製でだいぶ年季が入っているように見える。槍先は鈍い光を放っている。
「曲がり神よ、中つ国より、去ね(いね)」
キィィン・・・と済んだ音がしたような気がした。
ダリがやったことは、単に右手に持った槍を、そのまま左から右に振り払っただけである。
その動きとともに、あまりにもあっさり「異形」の身体が中程から真横にまっぷたつに裂けた。
そして、そのまま、見る間に崩れ去っていく。
「終わったぞ、綾音」
振り返ったダリはいたく満足そうに笑っていた。