第3章 秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)
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【秋霜烈日】態度や意志が、激しく厳しいこと、また堅固であること。権威などが、厳正でおごそかなこと。
めっちゃ偉くて、強いこと。決して揺るがない、強い意志をがある、みたいな。
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遠目に見た暗闇の間の中央にある火は、篝火だった。
1つではなく、4つ。
その中央に、『異形』がいた。
例えて言うなら、灰色の楕円形の巨大な顔に細い手を2本、太い足を1本、直接つけたようなモノ。左目に相当するところには縦にうつろな裂け目があり、右目だけがやたらと大きくギョロギョロと動いていた。その巨大な顔に不釣り合いな口が時折モゴモゴと動く。
「ひっ!」
息を呑んだ私をダリがそっと座らせ、くるりと私の周囲に指で円を描く。
右手の指を二本立て、口元で何やらつぶやき始めた。
「極めて汚きも滞り(たまり)なければ 穢き(きたなき)はあらじ 内外の玉垣清し清しと申す」
ぼわっと円がオレンジ色の燐光を放つ。
「良いか・・・綾音。ここから出るでないぞ」
頼まれなくても、じっとしてます。
超怖い。下手したら、漏らす・・・。
ダリは立ち上がり、『異形』に向き合った。
「お前がこの地の『曲がり神』か」
「◯☓#⃣*:i」
鋭く問うダリに対して、『異形』が返答をしたようだが、何を言っているのか全くわからなかった。
途端、ジャラジャラと鎖を引きずるような音がし、『異形』の後側から、左右、そして、上方向に黒っぽい何かが射出され、ダリに襲いかかる。
ぽう、とダリの周囲に淡い光が揺れた。
結論を言えば、その黒っぽい何かはダリの身体に触れることはなかった。その前に彼の周りの燐光に触れるや不自然に曲がり、地面に突き刺さる。突き刺さった部分がものすごい勢いでえぐれているところを見ると、あれ一つ一つがとんでもない威力を持った攻撃だったようだ。だが、ダリは涼しい顔をして立っている。