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天狐あやかし秘譚

第3章 秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)


☆☆☆
振り返ったダリに気を取られている間に、ふと気づくと、元の古民家に戻っていた。
いや、元いた屋敷の様子より、だいぶ荒れている。

「すまなかった、綾音。褥(しとね)を求めた先が曲がり神の住む屋敷じゃったとは・・・」

ダリの優しい声に、今更ながら、身体が大きく震えだす。
やっと、声が出るようになった。

「な・・・何!?何!?今の何?曲がり神?あの怪物、何?ダリ、一体何したの!?それに・・・」

あの屋敷はいったいどこにいったの、と続けようとしたが、続けられなかった。
ダリが、唇で私の口を塞いだからだ。

そのまま、ぎゅっと抱きしめる。
悔しいけど、それだけで体に入っていた力が解けていった。
そっと、口を放す。

「落ち着いたか?綾音?」
「う・・・うん・・・」
あっという間に気持ちを落ち着けられてしまい、なんか・・・悔しい。

「順を追って、説明しようぞ。その前に、主の宿に行こうではないか・・・このあばら家は・・・ちと古すぎる」

見渡すと確かにあちこちに蜘蛛の巣が張り、カビ臭い。なので、私達は、私の泊まってるホテルに移動することにした。
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