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天狐あやかし秘譚

第101章 興味津々(きょうみしんしん)


通されたのはリビングだった。彼女の向かいに座ると、早速、聞き込みを開始する。
同じことを何度も聞かれるのは嫌だろうから、捜査情報をまとめたレポートに書いていないことに的を絞って聞くことにした。

「愛理さんのことはとても大変なことでした・・・。彼女を一刻も早く発見するために、いくつかお話を伺いたいのです」
「はあ・・・」

母である祥子は大分消耗をしているように見えた。化粧をしっかりしているので、ちょっとわかりにくかったが、よく見ると目の下が薄っすらと黒くなっており、全体的に生気が感じられない。眠れていないのかもしれない。

「こちらを愛理さんがどこから手に入れてか・・・わかりますか?」
私が取り出した写真には、例の『薬』の容器が写っていた。祥子は力なく首を振った。
「愛理さんが、いなくなる前、なにか様子が変わったこととか、ありませんでしたか?・・・うーん・・・例えば、性格が変わったみたいになった、とか、おかしなことを言っていた、とか」
それについても首を振る。・・・振ったのだが、少し考えて、あ、と声を漏らした。
「なにかありますか?」
「口ごたえが・・・」

祥子によると、2ヶ月くらい前から口ごたえをすることが多くなった、というのだ。特に1ヶ月前に実施された学力テストの成績のことで、勉強をしっかりするようにと言った時には、これまでの愛理さんには考えられないほどの『反発』をしてきたという。

「あんなに強く反抗してきたのは初めてで、目つきなんかもきつくなって、本当にあの子じゃないみたいって、思ったのを覚えています」

「あと、何度か部屋でぼーっと何もしないで座っていることもありました。暗くなっているのに、電気もつけないで座っていたんです。だから私は、サボってないでちゃんとテストの勉強しなさい、って・・・その時は、言い争いにこそなりませんでしたが、聞いているのか聞いていないのかわからないような生返事で・・・あれも、今から思えば反抗心からなのかと思います」

口ごたえ、ぼーっと・・・なるほどね・・・。
それは、私の『仮説』とも一致する。

それらに気づいたのは、2ヶ月くらい前。そうなると、その頃に愛理は薬を手に入れた、ということになる。
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