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Butler's Vampire *R18

第1章  






の体からは制御不能な飢えがすっかり消えていた。
喉の奥の焼けるような渇き、理性が溶ける感覚
の悩みのすべてがなくなった。


は鏡の前で、自分の顔を見つめた。
赤みがかった瞳が、穏やかに輝いている。

「……本当に、終わったのね。」


日常生活に戻れる。
それが、どれほど幸せか。


これまで渇きに怯え、
ヴラドの影に怯えていた日々が、遠い夢のように感じる。







は久しぶりに、食堂の席へと着いた。



メイリンが目を輝かせる
「お嬢様!
最近お部屋でばっかりで心配してましただ!」


は微笑む
「ごめんね、少し体調が悪かったの。でも、もう大丈夫。」


フィニは花を差し出してくれる
「さん、元気になってよかった!」


バルドは少し遠くから声を掛けてくる
「お嬢さん、今日は俺の特製ランチだぜ!食って元気出せ!」


シエルは紅茶を啜りながら
「……調子が戻ったなら、チェスをしろ」


セバスチャンはお皿を運びながら優しく微笑む
「様、お召し上がりください」



は皆の顔を見て、胸が温かくなった。

「……ありがとう、みんな。
ここにいられて、本当に幸せ。」


は住人たちとのコミュニケーションが、こんなに心地よいものだったことを、再確認した。






夜、屋敷が静まり返った頃。
セバスチャンが部屋を訪ねてきた。
彼は近づき、を抱きしめた。


優しく、強く。
キスは軽く、唇を触れさせるだけ。
そして、ただ抱きしめ合うだけ。



セバスチャンもベッドに横たわり、腕の中に包んだ。

の背中を撫で、髪に唇を寄せる。



「……あなたの温もりが、好きです」



は彼の胸に耳を当て、心臓の音を聞く。



「……私も。こうして、抱きしめられてるだけで……幸せ」




二人は言葉少なに、互いの体温を感じ合う。
セバスチャンの手が、優しく背中をなぞる。



は目を閉じ、安らかな眠りに落ちた。





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