第1章
ボロボロになっていたヴラドは勝ちを確信し、微笑んだ。
は彼の前に跪く。
「ヴラド……あなたを一人にして、ごめんなさい。
きっとこれまで、私のせいでずっと苦しい思いをしたのね」
ヴラドの瞳が優しくなる。
「……わかってくれたか。」
は溢れる涙を拭いながら続ける。
「これからは、そんな思いさせないから
……許して」
ヴラドは振り絞る最後の体力で、を抱き寄せた。
の体を、強く、優しく。
は彼の首に腕を回し、応えた。
そして、耳元で囁いた。
「……今、楽にしてあげるからね。」
は牙を、深く立てた。
ヴラドの目が見開く。
血が、大量に吸い出される。
体が痙攣し、力が抜ける。
「……待て……これは……」
は止まらない。
夢中で、すべてを吸い尽くす。
ヴラドの体が、光に包まれ、
灰のように崩れ落ちた。
そこに、灰の山だけが、残った。
はその場に崩れ落ちる。
すぐにセバスチャンは駆け寄りを抱きしめた。
「……」
渇きが、完全に消えた。
体が軽く、心が自由になる。
はセバスチャンの胸に顔を寄せる。
「……もう、怖くない……ありがとう……」
セバスチャンは彼女の髪を撫でる。
嵐は去り、朝の光が屋敷を照らした。
ヴラドの影は、灰とともに消えた。