第1章
翌日、二人はシエルに報告した。
執務室で、書類から目を上げたシエルに
セバスチャンが静かに切り出した。
「坊ちゃん……私事で恐縮ですが、と正式に契約することにいたしました。」
シエルはカップを置き、片目を細めた
「……なんのだ?」
セバスチャンは穏やかに言う
「これまでと、何も変わりませんよ。
血を与える代わりに、傍にいる——というものです」
シエルは眉をひそめる
「わざわざ契約までする必要があるのか?」
セバスチャンは微笑む
「また、他の男に取られては困りますから」
「……悪魔のくせに、恋か」
は頰を赤らめる
「シエル、ごめんなさい……突然で」
「別に謝る必要はない。
お前たちが幸せなら、それでいい。
だがセバスチャン、お前は僕の執事だ。
復讐が終わるまで、ちゃんと働けよ」
セバスチャンは深く頭を下げる
「もちろんです、坊ちゃん。
と共に、坊ちゃんの力になります。」
シエルは照れを隠しながら言った。
「……おめでとう。」
儀式の日。屋敷の地下室
契約にふさわしい、静かな場所だ。
セバスチャンが魔方陣を描く。
は白いドレスをまとい、セバスチャンの前に立つ。
二人は手を繋ぎ、誓いの言葉を交わす。
「私の血を、永遠に与えましょう。
その代わり、あなたは私の傍に」
「あなたの傍に、永遠にいます。愛を、誓います」
魔方陣が輝き、の胸元に契約の紋が刻まれた。
はセバスチャンの胸に寄りかかる。
「……幸せ。」
セバスチャンは彼女を抱きしめる。
「私もです、」
血と契約で結ばれた愛は時を超えて続いていく。
その吸血鬼と悪魔の執事が孤独になることはもうなかった。
end.