第1章
は理性が、溶けていく。
渇きが、暴走する。
ヴラドの香りが、鼻を突く。
初めて飲んだ血を、体が本能的に求めている。
は飛びつき、ヴラドの首に牙を立てた。
血が溢れ、喉を満たす。熱く、甘く、懐かしい味。
夢中で吸う。
ヴラドはクラクラと体を揺らす。
「……ああ、君の牙……
嬉しいよ……もっと、吸って……」
かなりの量を吸血したのだろう。
ヴラドは壁に寄りかかり、息を荒げた。
は正気に戻り、恐怖に襲われた。
口に広がる血の味、ヴラドの首には傷。
「いや……やめて……近づかないで……」
ヴラドは優しく微笑む。
「僕の花嫁、こんなところにいないで一緒に帰ろう。
僕には君が必要だ そして、君にも僕が必要だ。」
は様々な感情が混じり合い、パニックになった。
恐怖、拒絶、渇きの余韻、罪悪感。
声が震える。
「いや……帰らない……ここが、私の……」
突然、扉が開き、セバスチャンが現れた。
慌てて駆けつけた様子だ。
「様!」
ヴラドはセバスチャンを見て、微笑んだ。
「……邪魔が入ったね。」