第1章
新聞は「灰の呪い」と名付けた事件を大々的に報じ始めた。
「宿泊先の部屋で男性が忽然と消え、ベッドの上に謎の灰だけが残される」
すでに三件。行方不明者はすべて若い好青年だった。
もちろん警察は動き始め、街の噂は膨らむ一方だった。
は自分の部屋で震える手を押さえていた。
三日連続で、血を吸った。
そして、三人の男性が灰になった。
彼女は枕に顔を埋め、叫びを抑えた。
私が彼らを殺した。三人も。
彼らの笑顔、優しい言葉が脳裏に焼き付く。
後悔が胸を締めつける。
それなのに、喉は再び渇きを覚えていた。
喉が熱い。
体が疼く。
もっと、欲しい。
「どうして止まらないの?
でももっと飲みたい、もっと甘い血が欲しい、
こんなの、私じゃない。」
一方、その頃
シエル・ファントムハイヴは執務室で女王からの密書を読んでいた。
「セバスチャン」
黒い執事が優雅に現れる。
「はい、坊っちゃん」
「最近世間を騒がせている、灰の事件。この事件について調べろ。」
セバスチャンは微笑んだ。
「興味深い事件ですね。灰だけが残る……まるで吸血鬼の仕業のようです。」
シエルは冷たく頷く。
「すぐに動け。女王の憂いを払うために。」
「イエス マイロード」
セバスチャンは一礼しロンドンの闇へと消えた。