第1章
──夜。屋敷の住人が寝静まった頃。
は部屋でナイトガウンを羽織り、ベッドに腰掛けていた。
ノックが響き、セバスチャンが入ってきた。
燕尾服を脱いだ、珍しく私服に近い黒いシャツ姿。
「様、お休み前にお邪魔いたします。」
は微笑んだ。
「……今日は、血はいらないわ。」
セバスチャンはベッドサイドまで近づいた。
「ええ、存じております。」
部屋に、静かな緊張が漂う。
視線が絡み、間が長く感じる。
セバスチャンの手が、の頰に触れた。
ゆっくり、唇が近づく。
最初は優しく触れるだけ。
次に、舌が絡み、熱を帯びる。
の息が乱れ、手が彼の胸に回る。
セバスチャンはをベッドに押し倒した。
セバスチャンはの首筋に唇を這わせる。
そのまま耳朶を甘噛みし、息を吹きかける。
「様……」
それは甘い声だった。
は背を反らせる。
彼の手が、ナイトガウンの裾をまくり、太ももを撫でる。
肌が熱く、震える。
セバスチャンは胸元に唇を寄せ、布越しにキスをする。
は声を漏らし、指を彼の髪に絡めた。
体が絡み合い、熱が上昇する。
再び口づけた唇は激しくなり、互いの息が混じる。
セバスチャンの手が、の腰を強く掴む。
は思わず腰をくねらせた。
ただ、唇を重ね、熱を分け合う。
セバスチャンはを強く抱きしめる。
少ししてようやく離れた二人は、余韻に浸りながら額を寄せ合った。
頰が熱い。
セバスチャンは微笑んだ。
「おやすみなさいませ、様」
は照れくさそうに言う。
「……おやすみ。」
彼が出て行き、はベッドに横たわった。
体が熱く、心地よい疲れ。
甘い余韻が、夜を満たした。