• テキストサイズ

Butler's Vampire *R18

第1章  





ファントムハイヴ家の午後。



執務室のチェス盤を前に、シエルとが向かい合っていた。

セバスチャンは傍らで紅茶を注ぎ、静かに見守る。




シエルが提案した。

「今日は条件付きだ。勝った方の言うことを、一つ聞く」



は目を細めて微笑んだ。

「面白いわね。受けて立つわ。」




対局が始まった。





シエルは鋭い読みで攻め、は深く考え込む。



盤面は長引き、静かな緊張が部屋を満たす。




やがて、が最後の手を指した。

「……チェックメイト」



シエルは盤面を睨み、悔しそうに舌打ちした。


「……負けた。」



は勝ち誇った笑みを浮かべた。


「罰ゲームね。


シエル。


あなたはお昼寝して。」





シエルは目を丸くした。


「なんだそれ……呆れるな。」





は優しく続けた。





「最近、多忙を極めてるでしょ?

心配なのよ。少し、休んで。」




シエルは不機嫌そうに鼻を鳴らしたが、


「……勝負だから仕方ない。」




はからかうように言う。

「膝枕してあげてもいいのよ?」





シエルは顔を赤らめ

「そんなもの、いい!」と照れ隠しに声を荒げた。





はくすりと笑った。

「可愛いわね。勝った方の言うことを聞いてくれるんでしょう?じゃあ、膝枕よ。」






シエルは渋々ソファに近づき、の膝に頭を乗せた。





は本を取り出し、静かに読み始めた。


シエルの髪を、時折優しく撫でる。


やがて、シエルの息が規則正しくなる。





少年らしい無防備な寝顔。


長い睫毛が、静かに揺れる。


は本を閉じ、眺めた。



「こう見ると、ただの少年ね……可愛い。」






セバスチャンが紅茶のトレイを持って入ってきた。


トレイを置き、珍しく目を丸くした。


「……これは、珍しいお姿ですね。」




は指を唇に当てた。


「しーっ。起こしたくないの」



セバスチャンは微笑み、
「坊ちゃんも、様の膝で安心されているようですね。」



平和な時間が、静かに流れた。



/ 80ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp