第1章
夜、屋敷が完全に静まり返った頃。
は部屋でナイトガウンを羽織り、ベッドに腰掛けていた。
ノックが響き、セバスチャンが入ってきた。
「様、お休み前にお邪魔いたします。」
は微笑んだ。
「……今日は、リジーが帰っちゃって、少し寂しいわね。」
セバスチャンは近づき、静かに言った。
「渇きは、いかがですか?……もしよろしければ、私の血を」
まるで、彼自身がそれを望んでいるような響き。
は目を細めて言う。
「……あなたが、吸ってほしいの?」
セバスチャンは微笑みを深め、襟を開いた。
「…そうかもしれません。」
は立ち上がり、首に手を添えた。
「吸血の時に与える快楽には、依存性があるのよ。一種の麻薬みたいなものね」と笑った。
牙を立てる。
熱い血が溢れ、甘く体を満たす。
セバスチャンの息が乱れ、低い愉悦の声が漏れる。
は深く吸い、爪を立てた。
吸い終え、牙を抜く。
血の滴る首筋を舌で舐め取り、そのまま唇を重ねた。
キスはすぐに深くなった。
舌が絡み、血の味が混じる。
セバスチャンはの腰を掴み、そのままベッドへ押し倒した。
は驚き、息を呑む。
セバスチャンが上から覆い被さり、再び深いキス。
熱く、激しく、悪魔の欲が滲む。
だが、セバスチャンははっと我に返り、体を離した。
「……失礼いたしました。……申し訳ありません。」
は頰を赤らめ、照れながら息を整えた。
「……大丈夫。」
セバスチャンは少し間を置き、微笑んだ。
「おやすみなさいませ、様」
彼は部屋を出て行き、はベッドに横たわった。
胸のざわめきが、甘く残る。
押し倒された感触、熱いキス。
屋敷の夜は、静かに、しかし熱を帯びて更けていった。