第1章
「起こしましたか、申し訳ありません」
は上体を起こし、枕に寄りかかった。
「……大丈夫よ。」
セバスチャンはベッドの傍に立ち、静かに言った。
「……心配しました。」
は少し可笑しく思い、笑った。
「まさか悪魔にそんなことを言われるとはね。
…ありがとう。」
彼は少し間を置き、口を開いた。
「男に……変なことは、されなかったのですか?」
は首を横に振った。
「話して、乾杯して、薬を飲んだだけ。
それで、情報を取ったわ。」
セバスチャンは安堵の表現を見せた。
はセバスチャンに問いかける。
「……もし、されていたら?
……どうするの?」
セバスチャンは息を吐き、近づいた。
視線が絡む。
部屋に静かな緊張。
彼の手がの頰に触れる。
ゆっくり、唇が近づく。
最初は優しく、徐々に熱を帯びる。
舌が絡み、悪魔の香りが満ちる。
は息が乱れながらも手を彼の背中に回した。
唇が離れた時、セバスチャンがを抱きしめた。
強く、優しく。
の心臓が、早鐘のように鳴る。
セバスチャンは耳元で囁いた。
「様の心臓、早いですね。」
からかうような、甘い声。
は頰を赤らめた。
「……あなたのせいよ」
セバスチャンはくすりと笑い、
もう一度、軽く唇を触れさせた。
「ゆっくりお休みください」
彼が出て行き、はベッドに横たわった。
体はまだ重いが、心は温かく、満たされていた。
穏やかな眠りが、すぐに訪れた。