第1章
ホテルのスイートルーム。
重厚な扉が閉まり、鍵の音が静かに響いた。
部屋に入るとすぐに男はを強く抱きしめた。
息が熱く、酒の香りが混じる。
「嬢……君のような美しい女性に、初めて出会った。こんなに完璧で、魅力的な女性……
これからの最高の体験にも、いまから興奮が止まらないよ。」
は緊張で体を強張らせた。
心臓の鼓動が速くなる。
——「依存性が極めて高く、溺れた者はゾンビのように廃人となる」
シエルから聞いた説明を思い出す。
一体どうなってしまうのだろう。
は微笑みを保ち、
「嬉しいですわ」と囁いた。
改めて、部屋のテーブルで乾杯した。
そして男は鞄から小さな袋を取り出した。
中には、白い錠剤が数個。
「これ一つで、天国まで行けるんだ。
一度味わったら、忘れられない。」
は目を潤ませ、怖がるふりをした。
「……怖いですわ。本当に、大丈夫なんですか?」
男は優しく手を握り、安心させるように言った。
「心配しないで。最初はみんなそう言うけど、すぐに最高の気分になる。私がそばにいるから。」
彼はしつこく勧めた。
「先に飲んでごらん。君が飲めば、私も一緒に。」
は意を決した。
錠剤を一つ口に含み、ワインで流し込んだ。
男は満足げに笑い、自分も一つ飲んだ。
効果は、すぐに来た。
頭がくらくらする。
視界がぼやけ、体が重くなる。