• テキストサイズ

Butler's Vampire *R18

第1章  






数日後、シエルから正式な要請が下った。



ロンドン郊外の豪邸で開かれる、貴族と実業家が集う大規模な社交パーティーへの参加。



目的は、海外から流入する新型麻薬の流通ルートを探ること。



「依存性が極めて高く、溺れた者はゾンビのように廃人となる」


シエルは冷たく説明した。


「その組織に通じる人物が、今夜のパーティーに参加している可能性が高い。ターゲットはこれだ。」



差し出された写真には、とある男が写っていた。


表向きは貿易商として成功しているが、裏で麻薬に関わっている疑いがあるという。




は頷いた。

「わかったわ。任せて」






パーティー当日。

は深紅のイブニングドレスをまとい、宝石を控えめに輝かせていた。


黒髪を優雅にアップにまとめ、唇は鮮やかな赤。

絶世の美貌が、夜の闇に映えていた。




馬車の中で、シエルが最後の確認をした。


「無理はするな。情報が取れなければ、それでいい。」



は微笑んだ。

「大丈夫よ。男を落とすのは、得意なんだから」





会場は華やかだった。

弦楽四重奏の調べ、香しいワインと料理。

貴族たちが仮面のような笑顔を浮かべ、社交の舞踏を繰り広げる。



が入場すると、すぐに注目を浴びた。



「どなたかしら、あの美しい令嬢は?」

「ファントムハイヴ伯爵の遠縁だそうだ」

囁きが広がる。




はグラスを手に、優雅にゲストたちと挨拶を交わした。


会話は軽やかで、笑顔を振りまく。

シエルとセバスチャンは、近すぎず遠すぎない距離で彼女を見守っていた。




/ 80ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp