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Butler's Vampire *R18

第1章  





その日の夜。


は部屋で本を開いていたが、文字が目に入らない。






ノックが響き、セバスチャンが入ってきた。


「様、夕食の用意ができました。」






は本を閉じベッドに座ったまま首を振った。


「……いらないわ。今日は、いい。」





部屋に静かな緊張が漂う。




二人の視線がわずかに絡むと

セバスチャンが静かに切り出した。




「……昨日のこと、お詫び申し上げます。」






は目を伏せ、息を吐いた。



沈黙が、数秒続く。






「……大丈夫。謝らないで。
なんか、驚いちゃって……」




言葉が途切れ、再び沈黙。





は視線を上げた。


「……別に、嫌じゃなかったのよ。」











セバスチャンは、ゆっくりとに近づく。



部屋の空気が、張り詰める。





「……嫌じゃなかったのですね?」



低く、甘い声。






は頰を赤らめ、視線を逸らした。





心臓の音が、うるさい。





セバスチャンが一歩、もう一歩と距離を縮める。



彼の香りが、微かに漂う。





「様……」






セバスチャンが、ゆっくりと手を伸ばす。




「もう一度……

あなたの唇を味わってもよろしいでしょうか?」






は言葉が出ず

ただ、ゆっくりと頷いた。









息がかかる距離。

まだ、触れていない。


焦らすように、わずかに止まる。





は目を瞑った。




セバスチャンの唇が、ようやく

優しく、重なる。



前回よりも少し長く。




悪魔の熱と香りが、ゆっくりを包んだ。





セバスチャンは微笑んだ。


「では、おやすみなさいませ、様」



彼が出て行き、部屋が静かになると

はベッドに倒れ込んだ。






唇に残る感触、胸の甘いざわめき。





なぜか、その日はぐっすりと眠れた。






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