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Butler's Vampire *R18

第1章  






食事を済ませても、部屋には戻らなかった。



一人になりたくない。





広間のソファに座り、慌ただしい使用人たちを眺めているだけで心が落ち着いた。




皆の笑い声、日常の喧騒が、悪夢の残響を薄れさせてくれた。









夜遅く、ようやく部屋に戻った。



ベッドに横たわるが、落ち着かない。



目を瞑っても、眠れない。



…眠れないのではなく、またあの夢を見るのが怖いだけなのかもしれない。










は上着を羽織り、ランプを持って廊下へ出た。









セバスチャンの部屋の前で立ち止まりその扉をノックした。


「……入るわ」





セバスチャンはデスクで書類を整理していた。


「様、どうかなさいましたか?」





は目を伏せ言う。


「……血が、欲しいの」






セバスチャンは立ち上がり、襟を開いた。




「どうぞ」








は首筋に牙を立てた。






体が満たされ、心の不安が少し晴れる。


どこか不安そうな表情のまま、十分に吸った。








「……ありがとう。」








はお礼を言い、扉に向かった。








背後から、セバスチャンの声。



「様」












振り向くと、突然——

後頭部を優しく支えられ、唇が重なった。












セバスチャンのキス。

柔らかく、熱く、悪魔の香りがする。

は目を丸くし、体を硬くした。







セバスチャン自身も、わずかに驚いた顔で離れた。



その執事の瞳が揺れている。






「……失礼いたしました」








は頰を赤らめ
「お、おやすみなさい!」
と早足で部屋に戻った。







ベッドに倒れ込み、胸を押さえる。

さっきとは違う意味で、眠れなかった。










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