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Butler's Vampire *R18

第1章  





彼女は酒場に入った。
すぐに、数名の男性がアピールするような視線を送ってきた。
でも、からは話しかけない。



ただ、カウンターに座り、ワインを味わっていた。



男たちは互いに牽制し合っていたようが、
やがて一人の青年が近づいてきた。



「こんにちは、お嬢さん。ご一緒してもいいかい?」



は微笑んだ。
「ええ、構わないわ。」




青年、彼は画家志望の学生だった。
男は自分の夢を熱く語り、を笑わせた。



数杯の酒を飲み、雰囲気は自然に熱を帯びる。
そして男はの耳元で囁いた。



「ねぇ、僕の部屋に来ない?
君ともっとゆっくり話したい。」


は頷き、酒場を後にした。






部屋に入り、すぐに体を重ねた。
人の前で脱ぐのは、とても久しぶりだった。


男の手が肌を這い、キスが深くなる。
は男の頂点の瞬間に首筋へ牙を立てた。



血の味。
人間の、温かく甘い血。



「美味しい……」
でも、何か物足りない。



セバスチャンの血のような、熱く濃厚な快楽がない。


ただの、普通の血。
体は満たされるが、心の奥が疼く。



男は満足げに喘ぎ、にキスをした。
「最高だったよ。」


は満足そうな演技をし、微笑んだ。
「……ええ、私もよ。」


服を着て部屋を出た。
男はまた会おうと言ったが、は軽く手を振るだけ。



帰路につき、は空を見上げた。
あの男が外れだっただけ?


それとも——
もう、人間の血では満足できなくなったのか。



甘く、熱く、麻薬のようなあの味。
喉が、再び疼き始める。



「……早く、帰ろう」



は影のように飛び、屋敷へ急いだ。




買い物の袋を手に、自室に戻る。
鏡に映る自分は、少し寂しげだった。




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