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Butler's Vampire *R18

第1章  




翌朝、霧が残る街路を馬車が静かに走っていた。


車内にはとセバスチャンが並んで座っている。


は昨夜の吸血の余韻で
体が軽く心地よい熱が残っていた。


渇きが完全に消えたのは久しぶりの感覚だった。



それでも警戒心は解けていない。
この悪魔は何を企んでいるのか。


「傍にいるだけ」という言葉は甘すぎる。



セバスチャンは窓の外を眺めながら口を開いた。
「様、昨夜はよくお休みになれましたか
私のような者の血は、初めてだったでしょうから
体が驚いているかもしれません」



は窓辺に頰を寄せ答えた。


「あなたのおかげでよく眠れたわ。…ありがとう。


ところで、あなたの主人の屋敷ってどんなところ?

私をどうするつもりなの?」




セバスチャンは微笑みを浮かべ、核心を避けた。


「立派な屋敷です。主人は若く、聡明な方。
あなた用の部屋はもう用意してあります。

あなたはいてくださるだけで結構です。
それ以上、何かを強いるつもりはありません。」


は彼を横目で見て、ため息をついた。
「信じられないけど、今はそれでいいわ。
……人を殺さずに済むのなら。」



馬車は郊外の広大な敷地へ入った。

ファントムハイヴ屋敷が姿を現す。
その荘厳な建物、広大な庭には息を呑んだ。


「ここが……? すごいわね」


門をくぐり、馬車が止まる。

セバスチャンが手を差し出しを降ろした。


玄関では使用人たちが整列していた。
皆が好奇心と警戒の混じった視線をに向ける。


セバスチャンが優雅に紹介した。

「皆さんこちらは様。
これより当屋敷の客人としてお迎えします。
どうぞ、よろしくお願いします。」


使用人たちは目を輝かせた。
「わあ、なんて綺麗なお嬢様だ……!よろしくお願いします!」



は少し戸惑いながら、微笑み返した。

「……ありがとう。よろしくね」

セバスチャンはを部屋へと案内した。


「どうぞ、ここが様のお部屋です。
何かあればお呼びください」


は部屋を見回しベッドに腰掛けた。
黒と深紅を基調とした内装は似合うものだった。



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