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Butler's Vampire *R18

第1章  




「捕まえるの? それとも、殺すの?」


セバスチャンは立ち上がり、彼女に近づいた。


「いいえ。提案があります」




彼は白い手袋を外し袖をまくった。



「私の血を吸ってください。
その代わり、私の傍にいてほしいのです。
ただ、それだけ」



は目を丸くした。
「そんなの不公平すぎるわ。
私にしか得がない。おかしい……」




その時、ようやくは気づいた。

セバスチャンの香りの違和感。
人間ではない。血の匂いが甘く、熱く、異質だ。


「……あなた、悪魔?」



セバスチャンは低く笑った。
「ええ。悪魔の血は枯渇しません。
あなたの飢えを、永遠に満たせます。」


は考えた。
きっと、何かに利用されるのだろう。

傍にいるだけ。
そんな甘い話などないはず。



でも、人を殺さずに済む。
この飢えを凌げる。

もう、誰も灰にしたくない。


「本名は。
……その話、受けるわ。」


セバスチャンは満足げに頷き白い腕を差し出した。



「様。では、 どうぞ」


は恐る恐る牙を刺した。


瞬間——
のどを通るのは、まるで度数の高いアルコールのようだった。


人間の血とはまったく違う。
甘く香り高く、麻薬のような快楽が体中を駆け巡る。

力強い、濃厚な味。


の体が震え、目が蕩けた。



「あ、、、これ、、、すごい、、、っ」


は夢中で吸った。
渇きが、初めて完全に消えた。
体が熱く、心地よい痺れが広がった。


セバスチャンは静かに見守りの髪を優しく撫でた。


「どうです? 満足ですか?」


は血を拭い、頷いた。
「ありがとう。これで、もう誰も殺さなくていいのね。」


セバスチャンは微笑んだ。
「では、明日から私の主人の屋敷へお連れします。
そこで、ゆっくりお話ししましょう」


はただ、この悪魔の血が
彼女の救いになったことだけを、確かに感じていた。



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