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【図書館戦争】追憶【堂上篤】

第1章 彼はあの子の王子様







昭和最終年度、「メディア良化法」成立・施行―――。
"本が狩られる時代"の始まりだった。
良化法により、メディア良化委員会設立。
公序良俗に反するメディアを取り締まる厳しい検閲を断行。
本や映像などの自由な表現に触れる機会を人々から奪っていった。

国の官署を受けない独自の法「図書館の自由法」を掲げる図書館は、検閲を退け、あらゆるメディア作品を自由に収集し市民に提供した。
メディア良化委員会にとって唯一の「敵」となり、抗争は激化の一途をたどる。

正化16年、図書館制度が発足した。
良化法成立から30年―――正化31年。
抗争による隊員の死傷すら合法と鳴った現代。
図書館の"軍隊"にあたる図書隊防衛部は今や、警察や自衛隊より日々の危険度は高い職種と言われている。

「反対されてるってこと?図書隊防衛員」

ふう、と息を吐いた小牧教官がそう言った。
私は「まぁ、そう、ですね……」と歯切れ悪く答えたが、それ以外うまい躱しかたが分からなかった。

郁の両親、特に母親はいい言い方をすれば子供離れができていない、悪く言えば過保護すぎる。
私も何度か会っているけど、郁には悪いが苦手な部類。
何かと「郁は女の子だから」と言っているけど、それを聞くたび、郁の顔が曇っていることに気が付かないのかなって正直思う。
さっきのハガキだって、郁なりに勇気を出して書いたんだろうけど、出せるはずはずないよね。
そうなったら、郁は連れ戻されるの確定だし、彼女はそれを望んでいないし。





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