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【図書館戦争】追憶【堂上篤】

第1章 彼はあの子の王子様







午後は格闘技訓練だ。
柔道着に着替え、道場へと向かう。

「郁、私と組もうよ」
「いいよ」
「さっきのことまだ許してないから。私が勝ったらアイス奢れよ」
「恨みが根深すぎない?」
「あと、あんたは私に貸しい1だってこともあるからな」
「なにそれ。私なんかした?」
「けちょんけちょんにしてやる」
「けちょんけちょんとか久しぶりに聞いた」

郁と私の身長差は10cmあるかないか。
傍から見れば身長の大きい郁が有利であろう。
しかし、私は負けない。
何故ならウェイトは若干私の方があるから!
若干ね、若干。

郁は確かに身長が大きいし運動も女子の平均に比べると数値を上回っている。
けれど、それが郁の弱点でもある。
自分の運動神経を過信しすぎているから、隙が生まれるんだ。

私は一瞬の隙をついて、郁の体勢を崩し懐に入った。
そのまま勢いよく背負い投げをすれば、大きな音が道場に響き渡る。

「はっはー!!どうだ!!これが私の恨みの全てだ!!!」

とはいえ、やはり身長差はデカく私も息切れをしている。
もっと体力と筋力が必要だな。
額に流れる汗を拭いながら、畳に寝転がる郁に手を伸ばす。

「悔しい!!絶対勝てると思ったのに」
「油断大敵と言うやつですな。てかさ、受け身下手くそすぎない?投げる練習もいいけど、受ける練習もしないとそのうち痛い目みるよ」
「わかってるけど、受けるくらいなら投げていたいし、負けなければいいだけじゃん?」
「…………………そうだね」
「なによ、その間は!!」

これだからお子様は。
負けない、なんてことがないからこうやって今訓練してるんでしょうが。



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