• テキストサイズ

【図書館戦争】追憶【堂上篤】

第1章 彼はあの子の王子様







「あのクソ教官絶っっっ対あたしを目の敵にしてるって!!」

昼の基地食堂に郁の叫びが響く。
勢いよくお皿にフォークを突き立てたものだから、サラダが2枚テーブルに零れ落ちる。

「……クソ教官って堂上教官のこと?」

同じ寮のルームメイトである柴崎麻子がそう尋ねた。

「そおよ!!」

先ほど郁に腕立てを命じた堂上二等図書正のことを「クソ教官」と言う彼女に私は苦笑いをするしかない。
大きな目標を抱き念願の図書隊に入隊したものはいいけど、郁は毎日毎日こうやって荒れに荒れている。
他の隊の女子たちが「今日はなんで荒れているの?」と聞いて来て、私が答えるよりも早く柴崎が口を開く。

「朝の訓練のハイポート。笠原、50人中男子に混ざって12位だったんだけどさ。もちろん女子ではぶっちぎりでトップね」
「いつもながらすごいね……」
「ゴール直後に倒れ込んで、ひとりで腕立ての刑」

女子たちは「厳しいね」とか「でも期待されてるってことじゃない?」とか言っている。
私も堂上教官は郁のことをだれよりも期待していると思う。
でなければこんなに厳しいことは言わないもん。
でも当の本人はそんな風に思っていないから、腹を立てているんだろうな。




/ 9ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp