【aph】セカイはいつか飽和して【dc】【prsk】
第1章 邂逅事変
『……普、……普!』
「……み、ミク……!?」
︎︎まさか急に話しかけられるとは思っていなかった。でも、ミクはどこか焦った様子だった。
『普、手! ︎︎かかってる……!』
︎︎ふと気がついた時には手に薄橙色の液体がかかっていた。
「……あっ、あっ、! ︎︎て、手が、ベチャベチャ……!」
︎︎ついでに服の袖もものすごく濡れてしまった。べちゃべちゃな感覚がなんとなく不快だった。思わず手を引っ込めた。
(グラスを持たずに手に熱々のカフェラテを浴びるとかなんて拷問だ)
︎︎幸い、熱いとは感じないけど、やけどがあったら最悪だ。
『普、大丈夫?』
「……多分……」
︎︎トレーボックスの中にあるおしぼりを1つ拝借して手の汚れを拭き取る。幸いちょっと、赤くなっているだけで火傷らしい傷もなさそうだった。
(ぼんやりと事件現場の方向を見てたらこんなことになってしまった。……そりゃ、犯人はわかるんだから気になることには気になるけど、まったく……)
︎︎そこまで犯人のことが気になるなら事件に近づいてもいい。多分だけど、菊たちと会話したからだろう。最初の時よりかはいくらか冷静になってきた気がする。頭の中のどんよりと薄暗い雲がすっかり消えて晴れになった気分だ。
(とはいえ、必要以上に関わる必要はないだろう。別に僕がこの事件に関わらなかったところで特になんの意味もないだろうし)
︎︎そう思っていた時、断罪が起る。罪を犯した人間は裁かれなければならない。それが今のところこのセカイのいや、人間として決められた理なのだ。